切ない…美しい…!レント(四旬節、受難節)第三主日礼拝で聴いた讃美歌。

讃美歌21-310番「血しおしたたる」。

レント(四旬節、受難節)の時期、教会の礼拝でこの讃美歌を聞くとしみじみした気持ちになります。

この讃美歌は、イエス・キリストの受難の讃美歌で、ドイツの讃美歌。

Wikipediaによると、中世ヨーロッパのベルナール(1090-1153)が、「十字架にかかりて苦しめるキリストの体への韻文の祈り」というラテン語の詩を作詞。その第七部の「御頭への祈り」を、ドイツの讃美歌作者パウル・ゲルハルト(1607-1676)がドイツ語に訳した讃美歌だそう。

多くのドイツの作曲家がこの曲を編曲したり主題に用いているそうですが、とりわけバッハが『マタイ受難曲』にこのテーマを用いたのが有名です(バッハはマタイ受難曲で5回以上用いている)。

『マタイ受難曲』は、あの有名作曲家の武満徹氏や、坂本龍一氏をはじめ、絶賛するファンが多い、いわばクラシックの名曲中の名曲。まるでイエスの死に立ち会ったかのような、臨場感あるれる音楽です。

St Matthew Passion, O Haupt voll Blut und Wunden

1.
O Haupt voll Blut und Wunden,
Voll Schmerz und voller Hohn,
O Haupt, zum Spott gebunden
Mit einer Dornenkron’,
O Haupt, sonst schön gezieret
Mit höchster Ehr’ und Zier,
Jetzt aber höchst schimpfieret:
Gegrüßet sei’st du mir!
2.
Du edles Angesichte,
Davor sonst schrickt und scheut
Das große Weltgewichte,
Wie bist du so bespeit!
Wie bist du so erbleichet!
Wer hat dein Augenlicht,
Dem sonst kein Licht nicht gleichet,
So schändlich zugericht’t?

ちなみに、「マタイ受難曲」全68曲の中の第39曲、深い悲しみのアリア「神よ、あわれみたまえ」という曲は、人間の弱さを描いた名アリア。

ベースラインの音、そして下がる音型を繰り返すことで悲しみを増幅させるといった、バッハの技も光るこちらの曲も大好きです。

緊急事態宣言下、外出できないおうち時間に、バッハの『マタイ受難曲』をじっくり聴くというのもいいですね。

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