クラシック音楽の祭典「ラ・フォル・ジュルネTOKYO」の会場、国際フォーラムに行く前に立ち寄ったのが、有楽町駅から徒歩2分ほどのところにある、第一生命保険株式会社の日比谷本社。
5月3日(水・祝)〜6日(土)、創立120周年記念特別イベントとして『国際モーツァルテウム財団 コンサート・コレクション展「モーツァルト・音の旅」〜神童が巨匠になるまで〜』が催されていました。嬉しいことに無料。
な、なんと。モーツァルトが初めて手にしたチャイルド・ヴァイオリンと、ザルツブルクの宮廷楽団で自身の手で弾いていたクロッツ・ヴァイオリンが令和初来日とかで、興味津々。
コレクション展(1Fギャラリー)はフラッシュはNGでしたが、写真撮影はOKでした。
<ザルツブルク時代>
・ナンネルの楽譜帳
・ナンネルの楽譜帳より『メヌエット ヘ長調』K.4が書かれたページ
・ザルツブルクのローレンツ・ハーゲナウアに宛てたレオポルト・モーツァルトの自筆書簡
・モーツァルト姉弟の子供時代の肖像画ブローチ
<ウィーン時代>
・ザルツブルクの父に宛てたモーツァルトの自筆書簡
・モーツァルトの肖像
・Ch.W.グルックの『メッカの巡礼』よりアリエッタ『愚民の思うのは』の主題による10の変奏曲K.455
・『4声のカノン』K.288(自筆譜)
・未完成のモーツァルトの肖像画
・モーツァルトの胸像
・オペラ・ブッファ『コジ・ファン・トゥッテ』K.588
・エマーヌエル・シカネーダー作 ジングシュピール『魔笛』K.620(台本)
・モーツァルトの遺髪
こんな貴重な文化財を間近で見られるなんて、感激。
特に、ザルツブルクの父に宛てたモーツァルトの自筆書簡(1783年3月29日)。少し黄色みがかった紙に書かれた、モーツァルトの文字。茶系のインクの濃淡が美しくて、見惚れてしまいました。書かれた当時のインクの色はどんな色だったのでしょう。
モーツァルトの地毛(茶髪!)も不思議な気持ちになりながら、ずっと見つめてしまいました。
このイベントでは、モーツァルトがザルツブルクでの活動で愛用した「クロッツ・ヴァイオリン」と、モーツァルトが幼少期に初めて手にした子供用ヴァイオリンである「チャイルド・ヴァイオリン」の音色を楽しめるコンサートもありました。
演奏を聴いたのは、15時からの下記曲。
こちらは、演奏中の写真や動画撮影などもNG。その代わり、第一生命グループのyoutubeチャンネルで生配信がありました。
①ヴァイオリンソナタ 第8番ヘ長調K.13
モーツァルトの少年期の作品。演奏旅行先のロンドンで描かれ、1765年にロンドンで出版。第1楽章はヘ長調のソナタ形式、第2楽章はヘ長調の緩徐楽章、第3楽章はヘ長調と二短調の2つのメヌエットによる三部形式。ピアノで提示される楽想とそれに応えるヴァイオリンの楽想との掛け合いが美しく、全体としては長調の作品であるものの、哀愁を感じさせる旋律やハーモニーがいたるところに。
演奏は12〜13歳くらい?の島田凪沙さん。青いドレスとアップにした髪型、弾いている姿も凛としていて素敵でした。
②「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」による12の変奏曲 ハ長調K.265(きらきら星変奏曲)
1781-1782年頃に作曲され、出版は1885年ウィーン。この作品の元はフランスの流行歌「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」。そのため正式には『「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」による12の変奏曲』と呼ばれています。
フォルテピアノ演奏は、パリを拠点とし国際的に活躍中のピアニスト菅野潤さん。
・ヴァイオリンソナタ第41番変ホ長調 K.481
1785年にウィーンで書かれた。この頃、モーツァルトは『フィガロの結婚』をはじめ、上演機会の多い大規模な作品を手がけており、このソナタも作曲技術の円熟が見られる。第1楽章は変ホ長調のソナタ形式。展開部では後の交響曲第41番(ジュピター)と同じ音楽的モティーフが見られる。
クロッツヴァイオリンの演奏は、モーツァルテウム管弦楽団ソロコンサートマスターのフランク・シュタートラーさん。菅野さんをパートナーとした室内楽活動も各地で行ってらっしゃるそう。
素敵な演奏を堪能し、帰りがけに顔ハメパネルをして大満足。
私はナンネル姉さんです。マスクが出過ぎてしまって、悔しがってた友人(笑)
ラフォルジュルネ②へ続く。
オシマイ。